◆ZUN Soft

上海アリス幻樂団の前身であるZUN Soft

時代から影響を受けていたと思われる

PC-9801用RPG『闘神都市II』について。


『闘神都市II』は1994年12月10日に

アダルトゲームメーカー『アリスソフト

から発売された成人向けRPGである。


ゲーム内のダンジョン、ラグナード迷宮

8Fで現れる二人一組の女の子モンスター

『ハミング』など作中のキャラクターが

身に着けているリボンの表現がZUN氏の

リボン絵の描き方のルーツとなった可能性

がある。


ZUN_Soft_001.png

アリスソフトの画像の直接使用は認めら

れないため簡略化手描きイラストで再現。


この『闘神都市II』の影響はWindows版

に登場するキャラクターにも見られる。


ラグナード迷宮28Fにて登場する女の子

モンスター『夜逃ちゃん』の姿が、東方

風神録3面に登場する河城にとりのモデル

となった可能性がある。


ZUN_Soft_002.png


『夜逃げちゃん』は青色の髪を赤い玉付き

のヘアゴムで束ね、唐草模様の風呂敷を背

負った姿をしており、にとりの河童の甲羅

に見立てたリュックはこの風呂敷が変化し

たものだと考えられる。

両者は逃げる繋がりでもある。

『夜逃げちゃん』の原画は設定資料集の

103ページに掲載。切り抜きは108ページ

に掲載されている。


闘神都市2―原画&設定資料集


ラグナード迷宮29Fにて現れる女の子

モンスター『みのりん』の姿は、東方

地霊殿1面の中ボスであるキスメのモデル

となった可能性がある。


ZUN_Soft_003.png


緑色の髪の『みのりん』は体をすっぽりと

包むミノから頭と両手だけを出し、丸めた

両手でフチを掴んだ姿をしている。

キスメの元ネタの妖怪『釣瓶落とし』は

巨大な生首姿で描かれることが多く、釣瓶

の桶の中に体が入った姿を描かれることは

あまりない。

そして1面ボスとして土蜘蛛の黒谷ヤマメ

が登場したことから、キスメにはミノムシ

のイメージがあったとも考えられる。

原画は設定資料集の83ページに掲載。

切り抜きは111ページに掲載されている。


これらのキャラクターが登場する

『闘神都市II』が東方へ影響を与えたと

考えるには以下①~④の理由がある。


①2012年11月3日に新宿 LOFT/PLUS ONE

にて「2軒目から始まるラジオ3D

~Dangerous Deisui Dimension.」が

行われ、ここでZUN氏が大学時代に

プレイして面白かったゲームとして

『闘神都市II』を挙げたこと。


情報源

東方幻想板博麗神主・ZUN総合スレ


②東方靈異伝の魔界ルート16~19面の

背景にラグナード迷宮31Fで登場する

『コンテ』の姿が合成されている。

(原画は104ページに掲載。)


ZUN_Soft_004.png


背景の詳細は桜木李杏 氏のページ参照。

「東方靈異伝」背景画像・元素材に関する調査


③東方靈異伝 魔界ルート20面ボスSariel

(サリエル)のモデルとして闘神都市IIの

ラスボスであるデラス・ゲータが使役する

ガーディアン『魔輝』が用いられている。


ZUN_Soft_005.png ZUN_Soft_006.png

(左 Sariel、右 魔輝)


左手に掲げたステッキと6枚の翼、魔法陣

等の要素が一致する。

両者は最終ボス繋がりであり、そのこと

からSarielの外見のモデルに選ばれたと

考えられる。


④東方怪綺談の5面道中にて流れる

『the Last Judgement』の開始24秒から

のフレーズが『闘神都市II』に登場する

女の子モンスターとの戦闘曲と似ている。



以上の理由の他、東方夢時空で霧雨魔理沙

のカットイン画像がアリスソフトのRPG

『Rance IV -教団の遺産-』に登場する

黒衣の天使(ブラックナース)をモデルに

していることなども挙げられる。


また『闘神都市II』のラグナード迷宮4Fに

存在する『プリンセス・レミアの寝室』や

闘神の館に監禁されている気が触れた

『フランチェスカ』がフランと呼ばれて

いることなどから、レミリアとフランの

ネーミングの元となった可能性もある。


結論、東方はエロゲー。



『闘神都市II』はアリスソフトによる

配布フリー宣言の対象作品となっており

アリスソフトアーカイブズ等のサイトから

ゲームのデータを入手することが出来る。